高山なおみさん『絵本はほんとうのことしか書けない』 中野真典さん『絵は毎日変わる』

特別展「2017イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」関連イベントとして、2017年10月21日に高山なおみさんと中野真典さんにお越し頂きました。高山さんにはお話会『今のわたし“コドモとオトナの境目って、あるのかな”』で絵本の世界についてお話し頂き、中野真典さんには1階ロビーでライブペインティングをして頂きました。
お二人に、かわら美術館や展覧会の印象、絵本や絵の魅力についてお話し頂きました。

——高浜市やかわら美術館に初めてお越し頂きました。雨の一日でしたが、印象深いことはありますか。

高山さん おもしろい日でした。高浜港駅に着くまでに乗っていたピンクの電車は印象的。電車の中でも、いろいろな人に会ったの。中野さんに興味を持った様子の子どもたちがいたり。

——高浜港駅から美術館までの道のりを雨の中、歩いて頂きましたね。

高山さん うん。何だかとても良かったです。あの道。

——中野さんにはライブペインティングをして頂きました。

中野さん 美術館に着いてから、展示を見たりお昼ご飯を食べたりしたけど、絵を描く準備をしなければならないので、時間が足りるかな、と少し心配でした。ライブペインティングの告知もしていたし、来てくれた人の時間は大切だから、告知通りの時間に間に合うか考えていました。僕はライブペインディングでは、見たものしか描かないので、あの日見たものを描きました。

高山なおみさん『絵本はほんとうのことしか書けない』 中野真典さん『絵は毎日変わる』 - 高浜市かわら美術館

——大きなキャンパスが中野さんの手で次々に彩られていく、ライブならではの臨場感にお客様は魅了されていました。会場の子どもたちに、〝近くで見てもいいよ〟と声を掛けていらっしゃる姿も印象的でした。

中野さん  一人で絵を描くときは集中して、トランスするような(心の内部の自律的な思考や感情が現れる)感じだけど、ライブペインティングは心が開けた感じになります。

——高山さんにはお話会で、ご自身の子どもの時を振り返り、子ども時代の世界観を再現する絵本作りについてお話し頂きました。『絵本はほんとうのことしか書けない』という言葉が印象的です。また、読み聞かせもして頂きました。

高山さん 大人を対象とした絵本のお話会は初めてで、緊張しました。(会場の)最前列に座っていた女の子に向かって話すようにしました。初めて子供の視点で読み聞かせできたかな。

高山なおみさん『絵本はほんとうのことしか書けない』 中野真典さん『絵は毎日変わる』 - 高浜市かわら美術館

——中野さんにも急きょ、読み聞かせをして頂きましたね。

中野さん 読み聞かせは、すきです。絵本の絵を見て読みます。絵には層のようなものがあり、それを感じながら読む感じです。

——お二人にはボローニャ国際絵本原画展も観て頂きましたが、いかがでしたか。

高山さん とても良かったですが、作品を解説してくれた学芸員さんが楽しく、おもしろい!と感じました。

中野さん うん、そう。僕は他のひとの絵はあまり見ないけど、作品を解説してくれたのは楽しかった。学芸員さんに「どんな作品(絵)が好きですか」と聞いたら、「誰にも描けないような作品よりも、誰にでも描けそうな絵が好きです。」と仰っていて、僕と同じだな、と思いました。絵は毎日変わると思います。

高山さん そうね。観る人も変わるし。同じ絵を違う時に観ると、違うことを感じるよね。

中野さん うん、それもある。でも、ほんとうに、絵は毎日変わります。毎日、変わる。

高山なおみさん『絵本はほんとうのことしか書けない』 中野真典さん『絵は毎日変わる』 - 高浜市かわら美術館

高山なおみさん(料理家・文筆家) 中野真典さん(絵本作家)